就業規則と労働基準法による労働条件!配転の有効性などを解説

労働基準法で就労に関するルールが定められているが、これとは別に就業規則というものもある。
一方で「契約自由の原則」もあるため、当事者で自由にルールを定めることもできそうである。
そこで以下ではこれらの関係性等を説明する。

労働条件の自由さ

労働条件とは、労働する時間やその内容、賃金等の待遇のこと
基本的に労働条件の内容は、契約自由の原則に従い、労働者と使用者との関係で自由に定めることができる

しかしあらゆる事項を当事者の自由にできてしまうと、比較的立場の弱い労働者が不利な条件を押し付けられかねない。
そこで、労働基準法等の強行法規を置き、最低限の待遇は確保できるようにしている。

労働基準法に反する内容を双方が合意したとしても、それは無効となる。

就業規則とは

労働基準法等の強行法規の内容に反してさえいなければ、労働条件は、使用者と労働者の間で様々な事項を定められる。

しかし実務上、各労働者と個別に交渉を行い、具体的な労働条件を定めるということは行われない。

労働者全員に画一的に適用させるルールを定めるのが通常である。
これを「就業規則」という。

就業規則は、常時10人以上の労働者を雇用する事業所において作成され、その作成や変更においては、過半数組合ないし過半数代表者の意見を聴くことが求められる。

しかしながら作成するのは使用者側であり、
各労働者が実際にその内容を知っていなくても、周知されていれば労働条件とすることができるため注意が必要。
当然、労働基準法に違反してはならず、就業規則の内容も合理的でなければならない

そのため社長や上司などの一存で部下の賃金が自由に変動させられるような内容は効力を生じない。

就業規則と異なる労働条件への交渉

労働者が使用者と交渉をし、就業規則と異なる労働条件の下で働くことも可能である。

しかし就業規則を定めている場合には、
交渉において就業規則より不利な内容の定めを置くことになったとしても、その合意は無効となる。

一方で交渉した結果就業規則より労働者によって有利な内容となれば、それは法的にも有効な合意となる。

当然、いずれの場合も労働基準法に背く内容にはできない。

配転命令権の濫用

配置転換」とは、人事異動の一種で、職務内容や勤務地を変更することを意味する。
略して「配転」とも言う。

就業規則において配転について定めを置いている会社もあり、その場合、労働者は転勤をするよう命じられる可能性が出てくる。

例として多くはないが、前項のように使用者と交渉を行い、配転命令を受けないような労働条件を設ければ転勤等を避けることは可能である。

しかしこのような事情がない場合において、就業規則に配転に関する規定があるのであればその内容には原則として従わなければならない。

 

ただ、
・業務上の必要性が全くない場合、
・不当な動機および目的により配転の命令が出された
といった場合は、その配転命令は権利の濫用であるとして無効になる(判例)。

そのため使用者側も、就業規則に書いてあるからといってなんでもその通りにできるわけではないことに注意が必要。