【肖像権】判例で認められた新しい人権、憲法13条との関係などを解説

肖像権とは「勝手に姿を撮影されない権利」。

判例でこの権利が認められたため、
プライバシー権と並んで新しい人権の一つと評価される。

以下で肖像権の定義、重要判例を紹介する。

肖像権とは

肖像権は、
人がその容貌をみだりに撮影されない権利
と定義される。

憲法13条で保障される「幸福追求権の一部に含まれるとされている。

【憲法13条】新しい人権とは何か。幸福追求権をわかりやすく解説
新しい人権とは、憲法13条後段の「幸福追求権」に包括的に含まれる人権である。14条以下に明記されていないものの、時代に即した様々な権利が新しい人権として含まれ得る。例えばプライバシー権や肖像権、アクセス権、自己決定権など。

条文上「肖像権」として明記されているわけではないが、
同条は包括的基本権として、現代に即した様々な権利が含まれ得ると考えられているためこのように言われている。

加えて、次項で紹介する判例で認められたことにより、肖像権憲法13条で保障される権利であると言われるようになっている。

 

肖像権にはこうした背景があり、新しい人権として捉えられている。
同様の権利には「プライバシー権」がある。こちらも判例で認められた新しい人権の一つである。

プライバシー権についてはコチラの記事へ。

【プライバシー権の意義】表現の自由や知る権利との対立事例も解説
プライバシー権には消極的側面と積極的側面がある。「暴露をされない権利」としての側面が前者、「自己の情報をコントロールする権利」としての側面が後者。この権利は憲法13条の「幸福追求権」の一部で、 判例により認められた新しい人権。ここでは知る権利や表現の自由と衝突した判例に関しても解説。

肖像権侵害に言及した判例

肖像権を侵害しているのではないかと、裁判で争われた事件がある。
特に重要な判例を2つ挙げる。

京都市公安条例違反

(最判昭44.12.24)

デモ隊が許可条件をはずれて行進したため、警察官が違反状況の証拠としてその様子を撮影した。このことにつきデモ隊側が肖像権の侵害を主張したという事件。

結論:この主張は認められなかった。

以下を理由に、令状や承諾なく撮影することが許されるとしたためである。

  1. 現に犯罪が行われている、もしくは間もない
  2. 証拠保全の必要性と緊急性がある
  3. 撮影が一般に許容される限度を超えていない相当の方法であった

 

ただ、この判例で注目すべきは、実質的に肖像権自体は認めたということにある。
ここでの事例においては肖像権の侵害があったと評価されなかっただけで、
場合によっては侵害をしたと評価されることもあり得るということ。

この判例は、肖像権を初めて認めた裁判例として有名。

自動速度監視装置事件

(最判昭61.2.14)

自動速度監視装置による写真撮影が問題視された判例。

誰であっても、承諾なく、みだりにその容貌を撮影されない自由を持っていることから、
正当な理由もなく撮影をすることは憲法13条の趣旨に反して許されないという、主張。

結論から言えば、この事例でも肖像権の侵害は認められなかった。

なぜなら、速度違反をした車の自動撮影を行うことは、犯罪捜査の必要性・相当性があるから。そこで、この場合における写真撮影は、本人の同意または裁判官の令状がなくても許されると評価された。