【入門-総則】制限行為能力者の基本と追認・取消について – 民法1話

制限行為能力者の概要

権利能力とは、権利義務の主体となり得る能力のこと。
→ 赤ちゃんや法人にも権利能力はある。

行為能力とは、法律行為を単独で有効に行うことができる能力のこと。
→ この能力に制限がかけられている者を「制限行為能力者」という。
→ 成年被後見人・被保佐人・被補助人など

  • 成年後見(事理弁識能力を欠く):後見人の同意を得ていても取り消せる。
  • 保佐(事理弁識能力が著しく不十分):原則保佐人に代理権はない。被保佐人がした契約に同意を与えるのみ。
    同意が必要な内容も法定されている。
    その内容以外についても保佐人の同意を要する旨の審判ができる。
  • 補助(事理弁識能力が不十分):原則補助人に代理権はない。被保佐人の同意によって審判が始まる。
    何に同意を要するかということも上の法定内容から選ぶ。

審判の請求ができるのは本人や検察官、4親等内の親族など。
※保佐人や補助人に代理権を与える審判も可能。ただし本人の同意が必要。
※主たる債務者が行為能力の制限によって取り消せる場合でも、保証人は取り消せない。
※制限行為能力者が詐術により契約した場合は信義則に則り取り消せない。代理人も。

被保佐人・被補助人は処分ができないものの「管理」はできる
そのため「債務の承認」はできる。また、受領能力もあるため、売買の申込を受けると有効になる。
後見開始・保佐開始の審判についてはその旨の審判だけを単独にできるが、補助については
①どの行為に同意を要するのか
②代理権を付与するのか
のどちらかについての審判も必要。ただし保佐開始の審判については
①同意事項の追加
②保佐人への代理権の審判
がオプションで可能。
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法定追認について

法定追認(履行・請求・更改・担保の供与など)は制限行為能力、詐欺・強迫による取消しができるものについても適用される。

しかし当事者が「異議を留めた」場合は効果が生じない。

※「取消権」の消滅時効は、追認できる時から5年、行為の時から20年(除斥期間)。

取消される相手方の対抗手段

制限行為能力が理由で催告する場合「相当期間」ではなく「1カ月以上の期間」を定める。

  • 未成年者・被後見人にした催告は何の法的効果を生まない。
  • 被保佐人・被補助人にした催告は、無視されると取消しとみなす。
  • 代理人系にした催告は、無視されると追認とみなす。
  • 監督人がいる場合、一部の行為は後見人等でも一人でできない。
    つまり無視すると取消しになる。
    ⇔ 詐欺・強迫で取り消される場合には、催告権はない。その相手は被害者だから。

※意思表示は原則到達主義だが、催告に対する制限行為能力者側の回答は発信主義となる。契約の承諾についても発信主義が採用される。

おまけ

< 失踪宣告 >

生死が7年間不明のとき、家庭裁判所は利害関係人の請求により失踪の宣告ができる。
危難に遭遇した者の生死が1年間不明なときも同様。

失踪宣告の取消し

→ 再婚や契約でも、双方が善意なら有効なまま。ただし現存利益は返還する。

< 不在者の財産管理 >

家庭裁判所は、利害関係人または検察官の請求により不在者の財産につき処分を命ずることができる。