情報公開法・個人情報保護をかんたんに解説

情報公開法とは

情報公開法の概要

情報公開法の対象は、国の行政機関と会計検査院です。

独立行政法人や地方公共団体は直接の対象ではありません。

そのため、国は情報公開法に則ることが義務となりますが、地方公共団体等は努力義務に留まります。
ただし実際には情報公開条例などによって情報公開法に従った運用がなされています。

開示請求の対象は「行政文書」

行政文書とは、
「行政機関の職員が職務上作成しまたは取得した文書等」のことで、
「組織的に用いるもの」として、
「保有」しているもの
を言います。

原則、公開が義務ですが、職員のメモが純然たる個人的記録となる場合には対象外です。

不開示情報について

行政文書は公開されるのが原則ですが、個人情報・国の安全や外交上不利になるもの・犯罪捜査に支障を及ぼすもの、などについては不開示項目とされています。

具体的には以下の6項目です。

  1. 個人情報
    個人情報は原則公開禁止。ただし、下のケースには公開が可能。
    ①法令の規定・慣行により公にされている情報・公にすることが予定された情報
    ②人の生命や健康、財産を保護するために必要な情報
    ③公務員の職および職務遂行の内容の情報
  1. 法人情報(不開示には、競争上の地位その他利益を害するおそれが必要)
  2. 国の安全等に関する情報(不開示には、行政機関の長の判断に相当の理由が必要)
  3. 公共の安全等に関する情報
    犯罪捜査や公共の秩序維持に関わる情報などは不開示
  4. 審議・検討・協議に関する情報(不開示には、意思決定が不当に損なわれる、混乱を生じさせるおそれが必要)
  5. 事務・事業に関する情報

開示請求手続

行政文書の開示請求は「何人」でも可能です。
個人・法人・外国人なども問いません。

  • 行政機関は請求書に不備があれば補正を求め、参考となる情報提供に努めなければならない
  • 開示請求には手数料が課されるが、利用しやすい額にするよう努めなければならない

開示請求は行政手続法での「申請」にあたる( ⇔ 開示決定は「行政処分」)

→ 不開示決定は申請に対する拒否処分(理由の提示が義務)

→ 不開示情報が含まれていても容易に除くことが出来る場合「部分開示」しなければならない。
ただし部分開示でも申請に対する一部拒否処分のため、理由の提示は必要。

※行政文書に第三者情報がある場合の対応
この場合、意見書を提出する機会が付与されます(任意的意見聴取と義務的意見聴取)
この手続きを踏めば第三者が反対意見を提出しても開示決定が可能です。
ただし争訟の機会を保障するため、開示決定から実際の開示まで2週間は期間を設けることとなっています。

不開示決定等に対する救済

開示請求に対し、不開示決定をされた場合、下のような流れで救済を求めることになります。

  1. 開示請求
  2. 行政機関による不開示決定
  3. 行政機関へ「不服申立て(審査請求)」または地方裁判所への「訴訟提起」を選択する
  4. 不服申立の場合、行政機関は「情報公開・個人情報保護審査会」に諮問しなければならない

※審査会の答申は諮問庁に提出されるほか、審査請求人・参加人にも送付、一般にも公表される。

個人情報保護法とは

個人情報保護法の概要

個人情報保護法は、公的部門と民間部門を統括する基本法部分・民間部門を対象にした一般法部分から構成されます。

公的部門の一般法については、以下の法律でカバーされています。

  • 国:行政機関個人情報保護法
  • 独立行政法人:独立行政法人等個人情報保護法
  • 地方公共団体:個人情報保護条例

個人情報の種類

個人情報保護法で保護する情報は「個人情報」ですが、同法では個人情報を細分化し段階的に運用方法が定められています。

  1. 個人情報:
    映像や音声も含む、特定の個人が識別可能なすべての情報
  2. 個人データ:
    個人情報データベース等(検索ができるよう体系的に構成されたもの)を構成する個人情報
  3. 保有個人データ:
    個人情報取扱事業者(個人情報データベース等を事業の用に供する者)が、
    開示・内容の訂正・追加または削除・利用の停止・消去、
    および第三者への提供の停止を行うことのできる権限を有する個人データのこと。
  4. 要配慮個人情報:
    本人に不利益が生じるおそれがあり特に配慮を要する情報。
  5. 匿名加工情報:
    特定の個人を識別できないよう加工、個人情報が復元できないようにした情報。

個人情報が最も広い概念で、その中に個人データ、さらにその個人データの一部に保有個人データが観念されます(個人情報>個人データ>保有個人データ)。

個人情報取扱事業者の義務

個人情報取扱事業者とは「個人情報データベース等を事業の用に供している者」です。

  • 個人情報取扱事業者は、利用目的を公表するか、個人情報取得時に速やかに本人へ通知をしなければなりません。
  • 要配慮個人情報については、あらかじめ本人の同意を得ずに取得してはいけません。
  • 個人データは正確に保ち、必要がなくなれば遅滞なく消去するよう努めなければなりません

第三者提供とオプトアウト

本人にオプトアウト(提供停止)を認めていても、
法令に基づく場合など、例外的なケースでは本人の同意なく個人データが提供できます。

オプトアウト制度でも、
本人に事前通知し個人情報保護委員会に届出れば同意なく提供ができます。
「要配慮個人情報」や、提供先が外国の第三者の場合はオプトアウトの方法では不可。

本人の関与

個人情報取扱事業者は、
本人からの請求に応じて遅滞なく本人に関する個人情報を開示しなければなりません。

訂正・利用停止については遅滞なくその旨を通知します。

  • 個人情報取扱事業者は、請求に応じないにしても、理由を説明するよう努めなければなりません
  • 請求手続は事業者が定めることができ、利用目的の通知・開示請求について手数料を徴収することも認められます。
  • 開示・訂正・利用停止等の請求に係る訴えを提起するには、事前の請求が必要です。
    = 「請求前置主義」
    この請求から訴訟提起までは2週間の待機が必要ですが、開示請求の拒否があれば即座に提起可能です。

匿名加工情報

  • 匿名加工情報を作成したとき、それに含まれる情報の項目を公表しなければなりません。
  • 提供する場合、情報の項目および提供方法を公表、そして匿名加工情報である旨を明示しなければなりません。
  • 匿名加工情報の安全な取扱措置の内容については、公表するよう努めなければなりません

個人情報保護委員会

個人情報保護委員会は、
個人情報取扱事業者に対し、報告の徴収・立入検査・指導・助言・勧告・命令をできます。
マイナンバーについても個人情報保護委員会の所掌事務です。

毎年、内閣総理大臣を経由して国会に処理状況を報告する役割もあります。

適用除外

報道・著述・学術研究・宗教活動・政治活動の用に供する目的の場合、
個人情報取扱事業者としての義務は適用されません。

罰則

同法の違反により「1年以下の懲役または50万円以下の罰金」に処されることがあります。

個人情報保護委員会のした命令に背いた場合も、
「6か月以下の懲役または30万円以下の罰金」に処されることがあります。

行政機関個人情報保護法とは

行政機関個人情報保護法は、プライバシー権の保護が重視されます。
⇔ これに対し情報公開法では、「知る権利」の保護は明示されていない

< 個人情報ファイル >

個人情報ファイルとは「情報を容易に検索できるよう体系的に構成したもの」です。

個人情報保護法における個人情報データベース等に似ています。

個人情報ファイルを作成すると容易に特定の情報を探し出すことができるようになるため、危険性も高まります。そこで、個人情報ファイルを保有するときには、
あらかじめ総務大臣に対し、一定事項の通知が必要となります。

利用目的や項目、収集方法などです。

なお、外交上の秘密や犯罪捜査に関する事項の記録で、合理的な理由があれば総務大臣への通知は必要ありません。

< 本人の関与 >

個人情報保護法の一般法と同様、本人には開示・訂正・利用停止の請求権が認められます。

しかし、訂正や利用停止を請求するにはまず開示請求をしなければならない点で異なります。
= 開示請求前置

「開示請求」

  • 保有個人情報が事実に反する → 「訂正請求」
  • 違法な利用や提供がある場合 → 「利用停止請求」
  • 開示・訂正・利用停止の決定について不服がある → 「審査請求」

また行政機関個人情報保護法では、情報公開・個人情報保護審査会への義務的諮問など、情報公開法に準じた手続が用意されています。