個人的に、行政書士試験で最も不安だったのは一般知識でした。
範囲が広すぎる上に、法令科目で満点を取っても一般知識の基準点を下回れば足切りを食らうからです。
しかし、普段からニュース等、時事ネタの関心を持っている人であれば問題なく解けるかと思います。
ここでは一般知識、特に「社会」に関して行政書士試験で問われそうな内容を、簡単かつ羅列的にまとめております。ざっと、確認する程度に見ていただければと思います。
出入国管理及び難民認定法の改正
< 在留資格「特定技能1号」「特定技能2号」の創設 >
特定技能1号:
不足する人材の確保を図るべき産業上の分野に属する「相当程度の知識又は経験を要する技能」を要する業務に従事する外国人向けの在留資格。
→ 法は、日常生活職業生活または社会生活上の支援実施を受け入れ機関に求めている。
特定技能2号:
同分野(不足する人材の確保を図るべき産業上の分野)に属する「熟練した技能」を要する業務に従事する外国人向けの在留資格。
特定技能2号外国人のほうがスキル的にハイレベルであると言える。
そして2号に該当する外国人については、その配偶者および子に対し、在留資格を付与する規定も整備された。
< 「入国管理局」は「出入国在留管理庁」に >
法務省の内部部局だった「入国管理局」を廃止。
法務省の外局として「出入国在留管理庁」が設置された。
同庁の長を、出入国在留管理庁長官とする。
出入国在留管理庁長官は受入機関等に対する指導・助言・報告徴収・改善命令を行うことができる。
男女共同参画社会について
< 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」の施行 >
2016年、10年の時限立法として「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」が施行。
国・地方公共団体・民間事業者に以下の法的義務(⇔労働者300人以下なら努力義務)が課される。
- 女性の活躍に関する状況の把握や分析
- 分析を踏まえた「事業主行動計画」の策定
- 女性の活躍に関する情報の公表
※厚生労働大臣(都道府県労働局長)は、報告の徴収・助言指導・勧告を行うことが可能。
< 「政治分野における男女共同参画の推進に関する法律」の施行 >
2018年には、「政治分野における男女共同参画の推進に関する法律」が施行された。
国・地方公共団体は施策の策定・実施が努力義務とされる
⇔ 政党その他の政治団体には、所属する男女数について目標を定める等の努力義務
< 世界との比較 >
OECDによると、女性25~54歳の就業率は41か国中26位。
ジェンダーギャップ指数は、2018年の日本は149か国中110位。
特に政治分野においては125位と非常に低い。
育児や介護休業に関する改正
- 2017年の改正により育児休業期間が最長2年まで延長
事業主には妊娠等を知った時、個別に育児休業等に関する制度を知らせる努力義務が課された。 - 子の看護休暇が1日単位ではなく半日単位で取得可能に。
看護休暇とは別に、入学式などのために育児目的休暇制度を設けることも努力義務に。 - マタハラやパタハラなどの防止措置義務が新設
- 有期契約労働者の育児休業取得要件が緩和
なお、2018年における待機児童は2万人弱。
障害者差別解消法など
- 国連の条約に際し2013年障害者差別解消法が制定、2016年に施行。差別禁止を具体化。
- 行政機関は合理的な配慮を提供しなければならない。
⇔ 民間事業者は努力義務 - 実効性確保のため、主務大臣は事業者に対し助言や指導等ができ、過料を科すこともできる。
- ノーマライゼーションとは、障害者が特別視されない生活が普通の社会という考え方。
- 「ユニバーサルデザイン2020行動計画」では、オリンピックに向け心のバリアフリーを推進、共生社会を実現するインフラ整備を目指す。
地球温暖化問題
- 京都議定書からパリ協定へ。
- 京都議定書では先進国のみに温室効果ガスの削減目標設定していた。
- パリ協定は2015年、京都議定書に代わる2020年以降の新しい地球温暖化対策の国際ルールとして気候変動枠組条約締約国会議(COP21)で採択。
- 中国とアメリカが批准したことをきっかけにインドやEUも批准、2016年に発効した。
→ なおアメリカは2017年に離脱を表明
→ 目標は世界の平均気温上昇を産業革命前と比較して2度未満に抑えること
→ 目標は5年ごとに見直す
→ 日本は温室効果ガスを2030年までに2013年比で26%削減することが目標
医療問題
- オンライン診療
診療報酬の項目にオンライン診療料が新設。
しかしまだオンライン診療の保険適用を申請している医療機関は全体の1%ほど。 - 国民健康保険制度の改革
国保の運営が市区町村から都道府県単位へ変化(2018年)
→ 給付費に必要な費用は都道府県が市町村に交付する形になる
後期高齢者医療の保険料軽減の負担増
→ 低所得者の軽減を2割減から軽減ナシへ
→ 元被扶養者の均等割の軽減を7割から5割減へ
→ 後期高齢者医療の保険料率は2年ごとに改定 - 国民健康保険・後期高齢者医療の保険料の賦課限度額引き上げ
民泊の営業に関して
民泊を事業として行う場合、下の3パターンから選択することになる。
- 住宅宿泊事業法に基づく届出
年間提供日数は180日以内に制限される。
行政は報告の徴収や立入り検査が可能。
→ 営業日数制限により廃業するケースも多く、下の、旅館業法による簡易型に切り替えることも多くある。 - 旅館業法に基づく許可を得る
営業日数の制限はない。
無許可営業者等に対する罰金も2018年改正で引き上げられた。 - 国家戦略特区法(特区民泊)に基づく認定を得る
このパターンを選択できるのは民泊特区に限られ、当該地方公共団体の認定が必要となる。
2泊3日以上の滞在が条件。
訪日外国人旅客者数のデータ
- 2017年から2018年で旅行者数は8.7%増
→ 中国が1位。2位が韓国。3位が台湾。中国と韓国で過半数。
→ 外国人旅行者受入数は世界12位、アジアで4位。1位はフランスで8000万人以上。 - インバウンド消費(海外から日本に訪れた外国人の日本での消費分)から出国日本人による消費を引いた「旅行収支」は、2014年度から黒字となり、2017年度は2兆円弱。
→ MICE(マイス:企業などの会議や研修旅行、国際会議、展示会など)に伴う出張や旅行は、一般的な旅行と比べ消費額が多いためこれに対する取り組みが強化されている。
働き方改革について
働き方改革についてはコチラの記事で解説しています。

介護保険法改正について
介護保険法改正についてはコチラの記事で解説しています。

国際条約いろいろ
暗記用に、イメージが掴める最小限の情報だけを記載しています。
- バーグ条約 :不法に子を国境を越えて連れ去る事件に対する・・
- ラムサール条約:湿地の保全・・
- ワシントン条約:絶滅野生動植物・・
- バーゼル条約 :輸出する廃棄物が有害・・のとき、経済産業大臣の承認を要する。
- ウィーン条約 :オゾン層の保護・・
- シェンゲン協定→EU条約:人の自由な移動・・