【要点だけ】果実と占有権・抵当権・留置権の関係

民法でよく問題になる果実について、かんたんにまとめています。
すぐに読みきれる分量となっています。
また、費用についても最後に追記しております。

―ケース1:占有者と果実―

  • 善意の占有者は果実を取得できる。
  • 悪意の占有者は不当利得として返還しいなければならない。

※悪意の占有者への規定は、暴行や強迫、隠匿による占有者にも準用される(たとえ善意でも)。

―ケース2:抵当権と果実―

占有を伴わないため基本的に天然果実・法定果実ともに対象外。しかし債務不履行があればどちらも回収して弁済にあてることが出来る。

しかし法定果実については物上代位が認められているため、債務不履行にならなくても、
払渡し・引渡し前に債権を差押えれば、そこから優先弁済を受けられる(先取特権の物上代位を準用)。

例えば、

問)Aは乙建物に抵当権を設定、そしてBに賃貸した。しかしAの債務不履行があり、抵当権者Xは、AのBに対する賃料債権を物上代位した。Bは誰に支払うべきか。答え)Xが物上代位するには自分で差押えをする必要がある。
→ Bは裁判所からの差押命令が送達されるまではAに、到達後はXに賃料を支払う。

※抵当権者の物上代位は、債権譲渡に優先する(AがYに賃料債権の譲渡をしていてもXは物上代位できる)。差押え前に譲渡・通知しても、それは「払渡しまたは引渡し」には該当しないため。

※抵当不動産を不当に誰かに引き渡されたとき、所有者が適切な管理ができなければ自己に引き渡させることが出来るが、それだけで法定果実は取れない。

―ケース3:留置権と果実―

留置物から生じる果実については優先弁済権があり、弁済に充てることができる。

費用について

1:必要費

善意悪意は関係なく、必要費の全額請求、それについての留置権の行使もできる。
ただし、占有者が果実を取得していれば請求できない。

2:有益費

有益費は現存する場合にだけ請求できるが、所有者の選択により費用か価額の増加額かが決まる。
善意の占有者は有益費に付き留置権を行使できるが、悪意の占有者は留置できない。

※悪意の占有者でも、占有物の返還時なら有益費の請求ができる。

賃借人の負担した費用についても同様。
必要費は直ちに全額請求でき、有益費は賃貸借契約終了時に請求できるが相手の選択による。