刑事訴訟の主体~被疑者や弁護人の権利、被害者参加制度など~

「刑事訴訟法の主体」。この分野に関し、試験で出題されやすいポイントだけを羅列的にまとめています。

被疑者・被告人および弁護人について

被疑者・被告人の法定代理人や保佐人などはもちろん、配偶者や直系の親族・兄弟姉妹でも、独立して弁護人を選任することが可能である。
→ 「独立して」の意味とは、被疑者・被告人の意思に反しても選任することができるということである。

弁護人の有する代理権

弁護人は様々な代理権を有するが、その範囲は、各権利によって異なる。
大別すると「包括代理権」と「独立代理権」とがある。

また弁護人には固有権として、特別な権利も与えられている。

包括代理権証拠とすることの同意、移送の請求、訴因変更請求の通知を受ける権利
独立代理権上訴申立権、忌避申立権
保釈請求権、証拠調べ請求権、勾留理由開示請求権、異議申立権
→ 本人の明示の意思に反して行使することが可能
固有権訴訟資料や証拠物の閲覧謄写権、上訴における弁論権
→ 弁護人のみ有する権利
接見交通権、証人尋問権、弁論権
→ 被告人と重複する権利

 

< 勾留延長に対する不服申立て >

勾留の延長をするためには、刑事訴訟法208条2項において下のように、やむを得ない事由がなければならないと定められている。
そしてその裁判に対する不服申立てに関して、429条に定めがある。

刑事訴訟法

第208条2項「裁判官は、やむを得ない事由があると認めるときは、検察官の請求により、勾留の期間を延長することができる。この期間の延長は、通じて10日を超えることができない。」

第429条「裁判官が左の裁判をした場合において、不服がある者は、簡易裁判所の裁判官がした裁判に対しては管轄地方裁判所に、その他の裁判官がした裁判に対してはその裁判官所属の裁判所にその裁判の取消又は変更を請求することができる。」

2号「勾留、保釈、押収又は押収物の還付に関する裁判」

429条1項における「不服がある者」には弁護人も含まれるため、
弁護人は、被疑者に対する勾留延長の裁判に対し「やむを得ない事由」がないことを理由に、準抗告(「命令」に対する不服申立)をすることができる。

 

また、被告人に対する勾留期間の更新の決定に対しては、例外的に抗告をすることが認められるが、その理由として「犯罪の嫌疑がないこと」を挙げることはできない(420条)。
→ 犯罪の嫌疑については、本案判決で争われる問題であるため

被害者について

  • 被害者が申出て、事件の訴訟記録の閲覧・謄写をすることは可能。
    → 裁判所はその前に、検察官及び被告人または弁護人の意見を聴く必要がある。
    → 「閲覧・謄写を求める理由が正当でない」「認めることが相当でない」場合には不可。
  • 被害者から意見陳述の申出があるとき、裁判所は、公判期日においてこれをさせるものとしている。

 

< 被害者参加について >

被害者参加制度における被害者参加人またはその委託を受けた弁護士は、裁判所が相当と認めるとき、

  • 情状に関する事項(証人の供述の証明力を争うために必要なこと)について、その証人を尋問することが可能。
    → 裁判所は、被告人または弁護人の意見を聴いたうえでこれを許すことができる。
    → 犯罪事実に関するものは除く。
  • 事実及び法律の適用について意見を陳述することが可能。
    → 訴因として特定された事実の範囲内でのみ許される。
  • 情状に関する事項でも、証拠調べの請求をすることは不可能
    → 証拠調べ請求権は認められない。