【入門-物権変動】不動産登記に関する解除や時効、相続などの問題を解説

物権的請求権には3つあります。

いずれも相手方の能力の有無や故意・過失の有無とは無関係という強い請求権です。

妨害排除をするのに相手方の責任能力は関係ありません。

以下ではこうした物権的請求権のこと、物権変動に関することなどを解説していきます。

登記請求権の種類

  • 物権的登記請求権:所有者に請求権
  • 債権的登記請求権:契約関係にあるかどうかで決する
    → 例えば、AからB、BからCに不動産が転売されてCが所有しているときの、BのAに対する登記請求権のこと。
  • 物権変動的登記請求権:物権変動の過程、態様と登記が一致しない場合の請求権
    → 上の例でBが強迫されていたとき、BのCに対する所有権の抹消登記請求権
    (所有者でない + 契約関係もない(強迫によりすでに取り消している) というケース)

※A→B→CにおけるACは、民法177条の第三者にあたらない。
中間省略登記は原則できないため、Cは債権者代位の条文を転用する。
つまり、Bに対する所有権移転登記請求権を被保全請求権として、BのAに対する登記請求権を代位行使する。

登記と解除の問題

解除無効に対する主張は登記によってのみできます。

A → B → C と、不動産が売買された場合において、AB間で解除がなされたとします。この事例でも、Cは登記があれば保護されます。

つまり、Cの登場がAB間の契約前後を問わず、そして善意悪意も問わず登記によって保護されるということです。

登記と取得時効の問題

A→Bに不動産が売買。Xという占有者がいる場合を考えます。

  • Xの時効完成前にBが購入したケース
    Bは第三者ではなく当事者扱いされるため、Xは登記なく対抗できる。
  • Xの時効完成後にBが購入したケース
    Bは第三者となり保護が必要になる(善意であること)。登記を早くした者勝ち。
  • 時効完成後に抵当権が設定されたケース
    Xは抵当権設定時を起算点に再び時効取得ができる。
    しかし設定後に所有権の登記をすると、抵当権付きの不動産所有者となり時効取得はできなくなる。
  • Xが購入し引渡し後(未登記)、Bに二重譲渡されたケース
    Xは引渡し時を起算点に時効取得できる。

登記と相続の問題

Xの死亡でAとBが土地を相続し遺産分割協議が成立した事例において、Bが勝手に全部の登記をして第三者Cに譲渡+登記した場合を考えます。

  • Aは自己の持分のみを登記なくして対抗できる(Aの分は無効な登記となる)。
  • 全部の所有権については、善意悪意問わず登記のある者が勝ち(契約解除と同様)。
  • Bが相続の放棄をしていればすべてが無効の登記となりAは全部の主張ができる。

※遺言によって相続分を指定されたとき、第三者が登場しても持分はこれに従います。

明認方法

土地の登記では公示できない権利変動についてのみ、明認方法が効力を生じます。立木など。

  • 土地と立木の両方を購入した場合、土地の登記によって権利の主張ができるため、登記なしに明認方法だけを施しても対抗はできない。立木の対抗要件すら具備されない。
  • 土地の所有者(登記ナシ)が自分で植えて育てた立木に明認方法を施した。売主が勝手に土地を売って移転登記をしても立木の主張はできる。
    その根拠は民法242条「不動産の所有者は、従として付合した物の所有権を取得する。」